「渋滞」を研究し続ける男… “西成教授”が読み解く「自動運転の関心度」 | Bartendergames- bartendergames.info

「渋滞」を研究し続ける男… “西成教授”が読み解く「自動運転の関心度」

特集記事 インタビュー
「渋滞」を研究し続ける男…  “西成教授”が読み解く「自動運転の関心度」
  • 「渋滞」を研究し続ける男…  “西成教授”が読み解く「自動運転の関心度」
  • 「渋滞」を研究し続ける男…  “西成教授”が読み解く「自動運転の関心度」
  • 「渋滞」を研究し続ける男…  “西成教授”が読み解く「自動運転の関心度」
  • 「渋滞」を研究し続ける男…  “西成教授”が読み解く「自動運転の関心度」
  • 「渋滞」を研究し続ける男…  “西成教授”が読み解く「自動運転の関心度」
  • 「渋滞」を研究し続ける男…  “西成教授”が読み解く「自動運転の関心度」
  • 「渋滞」を研究し続ける男…  “西成教授”が読み解く「自動運転の関心度」
  • 「渋滞」を研究し続ける男…  “西成教授”が読み解く「自動運転の関心度」
渋滞を解消するための学問、その名も「渋滞学」。この分野をひとりで開拓し、研究し続ける男、東京大学の西成活裕教授を知っているだろうか?

そもそも教授の専門は数理物理学。彼が数学の研究をしていた時に「これは渋滞の解消に使えるのじゃないか!」とひらめき「渋滞学」にたどり着く。「渋滞をいかに緩和させるか」が渋滞学の根幹なので、車に限らず人・バス・電車・飛行機、エレベーターなど、その研究対象多岐にわたる。

ちなみに彼が渋滞原因をつきとめたという動画が興味深いので紹介しよう。




そんな西成教授と三井ダイレクト損害保険が共同で「自動運転」に関するインターネットリサーチを実施した。
2020年にも「完全自動運転車」が実現するであろうその開発のスピード加速し続けており、私たちが知らない間に、徐々に生活の中に浸透しつつある自動運転技術は、愛車を長く大切に乗りたい読者にとっても気になるところだ。
西成教授の「自動運転」に対する持論を語ってくれた。




西成教授:「ここ数年、自動運転に対する世間の関心がかなり高まっているのを感じています。テレビのニュースやネットの記事で目にする機会も多くなりました。ただしその多くが、メーカーや研究者、そして政府などいわゆる供給側からの情報発信で、個人のニーズがどれだけあるのかについてのまとまった情報を見る機会はなかなかありませんでした」と教授がいうように、今回の調査は、あらゆる年齢層の生の声をたくさん集めたもので、今後の自動運転技術を考える上でとても貴重なものだという。



◆自動運転に関心を持つ人は全体の約半分。運転頻度が高い方ほど強い関心を持つ

西成教授:「それは、日頃の運転に対する不安や不満を解決してくれる期待感から来るもので、特に事故リスクの低減、そして運転負荷の低減の2つが個人の大きな関心事であることが分かりました」



確かに運転していて一番怖いのは事故であり、自動運転で安全性が高まることへの期待は大きい。また、運転は心身に負荷をかける行為であるため、それを機械に任せることができれば楽になるものだ。

西成教授:「この負荷とは、事故を起こさないため周囲に注意を払う緊張感もありますし、また渋滞中のイライラなども含まれていると思います。以上より、事故リスクと運転負荷の低減、という二大ニーズを見据えて供給側は研究開発をしていくべきでしょう。」


アンケートでは、自動運転による渋滞緩和の期待は、この2大ニーズほど大きくはなかった。渋滞中に代わりに運転をしてくれる機能だけでなく、渋滞緩和そのものにも自動運転は役に立つことはまだあまり知られていないようだ。

西成教授:「私は渋滞学を研究していますが、渋滞を緩和するためには、状況に応じて車間距離を適切に調整することが重要であることが分かっています。この車間調整を人ではなく自動で行うことにより、渋滞を減らすことができるため、私は自動運転技術に渋滞緩和の面からも期待しています」


◆自動運転技術にいくら払えるか?

安全や運転支援など単体の機能に関しては、どれも1万円以下が約半数を占めていて、あまりお金をかけたくない様子が伺えた。また完全自動運転車ができたとして、いくらなら買うか?この興味ある問いの答えは、約300万円であった。


西成教授:「私はもう少し高い価格を想定していたので意外でしたが、皆のニーズが高くなればもっと値段も下がるかもしれませんね」

◆「完全自動運転」の実現はいつなのか?

西成教授:「私が一番驚いたのは、その実現は10年以内と思っている人が最も多かった、という結果。そして30年以内に実現すると考えている人が全体の8割を超えていた事実。実は私自身はもっと先だと考えていまして、技術的な問題や法的な問題、安全性などクリアしなければならない事がまだまだ沢山あると思っております。私が最も気になっているのは“乗っ取り”の問題です」


教授が指摘するように、外から悪意を持った人が自動運転車を乗っ取られたらと考えると恐ろしい...。

また、「今後自動運転の社会への普及を考えていくには、技術の負の部分についても包み隠さず、全てをきちんと開示しながら合意形成していくことが重要だと思います。」と独自の持論を語るとともに警鐘も鳴らす。

「自動運転車が走る未来の社会が、私たちにとって幸せな生活をもたらしてくれることを願っております」と、教授が想う「人と自動運転の未来」に期待を込めた。


◆西成 活裕(にしなり・かつひろ) プロフィール
東京大学先端科学技術研究センター教授

1967年、東京生まれ。
1995年、東京大学工学系研究科航空宇宙工学専攻博士課程を修了後、山形大学工学部機械システム工学科、龍谷大学理工学部数理情報学科、ドイツのケルン大学理論物理学研究所を経て、2005年、東京大学大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻に移り、2009年より現職。
著書の『渋滞学』(新潮選書)では、講談社科学出版賞、日経BP・BizTech図書賞を受賞した。日本テレビ『世界一受けたい授業』などテレビ、ラジオなどにも多く出演。
2017年5月には『逆説の法則』(新潮選書)を出版。
《カーケアプラス編集部》

関連ニュース

特集

page top